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2009/3/22北アルプス下山

2009年03月24日 05:39

【22日 暴風雨 標高差1200m】
昨日の失敗の轍を踏み慎重になって1時半起床。沢山お茶を飲み3時に出発。昨夜あれほど見えていた星空が今は何ひとつ見えない。ヘッ電で2661mピークまで黙々と進む。あれ?なんか急な斜面だ、クトーが効かないなあ…夜が白んでくると自分の遥か下に障害物のない500mの急斜面が…おお、下手なフリーソロの百倍危険だ。慌てて引き返す。

稜線に出ると夜が完全に白み始める。しかし暗雲につつまれ濃密なガス。それにも増して強烈な風。スキーを脱いでクランポン登高に切り換える。三俣蓮華まで登りきるともはや暴風雪。こんな強烈な風は久しぶりだ。というか…これってやばくないか?立っていられない。少し歩いては耐風姿勢になって風をやり過ごす。風の呼吸を読んで歩くが、時間を追うにつれ風は益々強くなる。予定していた低気圧の接近が早まったようだ。

双六につく頃には立っていられないほどの風になる。文字通り立っていられない。僕は体重が70キロ以上あり山で風によろめくなんて経験は一度たりとなかったが、この稜線歩きで数回風で吹き飛ばされる。文字通り体ごと吹き飛ばされるんだ。もはや視界ゼロ。これ以上登ることは不可能だ!
ヤバい。とりあえず稜線を離れないと。GPSを頼りに夏の巻き道沿いに降りてゆくが風は少し弱くなった程度で一向に収まらない。相変わらず視界ゼロ。これ以上動くのは危険だ。崖地形の唯一風がしのげるポイントがあったので雪洞を掘って急場をしのいだ。このポイントがなければかなりヤバかっただろう。。。それでも雪洞の中は風もなく穏やかだ。全身びしょ濡れではあったがお茶でも沸かし人心地つく。

さてここは標高2600mの世界。下界までは夏ならまる2日の世界だ。どうやって帰る?こんな風じゃ一歩も歩けないだろ。わかってるのかお前?遭難寸前なんだぜ。
わかってるよ。でもどうすりゃいいんだ?少ない食糧だがまだ2~3日は粘れる。それに3月なら冬型なんていつまでも続かないさ。少し寝よう。

4時間ほどのビバーク。強がってみたが寒さのため一睡も出来ず。どうする?風も少し弱くなってきたか…よし行こうじゃないか。決意して外に出たが決意を揺るがすには十分の暴風雪。しかし行くしかない。双六小屋経由で谷を下降し、大ノマ乗越を経て新穂高に下山するのが最善だろう。GPSを頼りに標高を下げると風は収まるも今度は雨。3月の北アルプスの雨である。全身びしょ濡れ、この標高でこの状態でビバークは有り得ない。気合いでガンガン降る。あっという間に大ノマ乗越への取り付き2180mポイントまで降る。

大ノマ乗越までの急斜面を雪崩を警戒しながら一気に駆け上がるが、稜線に出ると相変わらずの暴風雨。たまらん、早く降りよう。ここまで来れば安全圏はもう少しだ!
大ノマ乗越からの大斜面もほとんどアルペンターンでこなす。テレマークターンをこなすにはあまりにも疲れていた。小池新道合流点までたどり着くとさすがに風はやみ後は小降りの雨だけ。なんとかなるものである。いくつかのデブリを越えあとは新穂高まで降るだけ。いやハッキリいって疲れました。

◆祖父沢出合2080m3:00~2661mピーク5:20~三俣蓮華岳7:00~双六小屋2540m10:20~大ノマ乗越取付2170m15:20~大ノマ乗越16:30~小池新道出合1500m17:40~新穂高温泉1000m18:40


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